E腫瘍マーカー(TSA)

参考までによく耳にする「腫瘍マーカー」についてご説明いたします。「腫瘍マーカー」とは体液(血清、尿、腹水)摘出腫瘍中に存在する腫瘍が特異的に産出する物質のことです。これを測定することで、腫瘍(ガン)の存在、種類、大きさ、広がりなどを検査します。腫瘍の治療効果、例えば術後の観察などによく使われます。ただし「マーカーが正常値の範囲内なのに実際はガンが大きくなっている」ことも稀にありますので、これを絶対の判断材料(安心できる場合の)にはしないで下さい。


マーカー名

基準値

対象となる主な病気

AFP
:α−フェトプロテイン

10ng/ml以下

肝細胞癌、肝硬変、慢性肝炎、睾丸腫瘍、卵巣癌

CEA
:癌胎児性抗原

2.5ng/ml以下

大腸癌、膵癌、胃癌、肺癌、甲状腺癌、子宮癌、乳癌

CA19−9
:糖鎖抗原19−9

37U/ml以下

膵癌、胆道癌、胃癌、大腸癌

CA15−3
:糖鎖抗原15−3

27U/ml以下

乳癌、卵巣癌、子宮癌、肺癌、膵癌

CA125
:糖鎖抗原125

35U/ml以下

子宮内膜癌、漿液性卵巣癌、肝癌、胆のう癌、膵癌

PIVKA−U
:異常プロトロンビン
(ビタミンK欠乏時に産生される蛋白)

40mAu/ml以下

肝細胞癌、ビタミンK欠乏状態

DUPAN−2
:デュパン・ツー

150U/ml以下

膵癌 CA19−9 等と共存、胆道癌、肝癌、大腸癌

NSE
:神経特異性エノラーゼ

10.0ng/ml以下

肺小細胞癌、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫

SPan−1
:スパン・ワン抗原

30U/ml以下

膵癌 CA19−9 等と共存

SLX
:シリアルLex−T抗原

38.0U/ml以下

いろいろな部位の腺癌 肺腺癌、胃癌、膵癌、卵巣癌

TPA
:組織ポリペプチド抗原

70U/l以下

卵巣癌、大腸癌、肝細胞癌、膵癌、肺癌、胃癌、乳癌

NCC−ST−439
:シリアル糖鎖抗原

70.0U/ml以下

乳癌、膵癌、胃癌、大腸癌、肺癌

SCC
:扁平上皮癌、関連抗原

1.5ng/ml以下

子宮頸部癌、肺の扁平上皮癌、皮膚癌、頭頸部癌、食道癌

BCA225
:乳癌関連ムチン抗原

160U/ml以下

乳癌

フェリチン
:鉄貯蔵蛋白

成人男性10〜190ng/ml 
成人女性5〜80ng/ml

異常低値→鉄欠乏性貧血、他
異常高値→再生不良性貧血、悪性貧血

BFP
:塩基性フェトプロテイン

血清−75ng/ml以下
尿−10ng/ml以下

膀胱癌、腎臓癌

IAP
:免疫抑制酸性たんぱく

500Ug/ml

消化器癌、肺癌、白血病、子宮癌

PSA
:前立腺特異抗原

4以下
(4〜10 肥大の場合が多い) 
10以上癌の可能性大

前立腺癌

 

続きへ

TOPへ